2005-05-01から1ヶ月間の記事一覧

ピコット探し

『自然の鉛筆』の図版のうち、被写体を直接感光紙上に置いて露光した写真が数枚ある。例えば、植物の葉、レース、リトグラフのコピー、印刷ページの複写がそれである。すでに別のところで書いたように、これらの写真を含めた数枚の写真がこの写真集のなかで…

学会

美術史学会に行く。実は「初」美術史学会。 ドキュマンの発表とデュシャンの発表を聞く。感想…はあまりなし。ドキュマン発表もそうだが、それ以上にデュシャン発表はよくまとまった発表ではあったのだが、その先が聞きたいという不満は残った。…というか実証…

業務

■業務 夕方から院生ゼミ。3つ発表を聞く。カントとキャラハンとブクロー。皆さん頑張って欲しい。

写真の匂い

■業務 講義講読。講義はこのあいだの天皇写真のお話を少しして、トルボット論。あと1回でこのネタにはキリをつける。講読はハンセンの文章をあいかわらず。帰りにまたひとつポスター作りの仕事をもらう。たぶん、皆美術の先生と勘違されているのだと思う。■…

青色植物写真

■業務 朝ゼミ。ベルメールとバルト&ティルマンス。卒論に向けてのゼミ発表なのだが、少し心もとなし。終わって会議大小5つ。■植物写真 アンナ・アトキンスの写真集が届く。植物写真論の一環。なぜサイアノタイプかという問題。海藻だから青というだけでは…

縦糸と横糸2

■校正 対談原稿を校正。あまり会話体が消えないように気を遣う。7月号に掲載の予定。自分の文章と先方の文章がかけあう様を調整するというのは面白い経験だった。■縦糸と横糸の話。 格子窓、レース、植物の繊維、鉱物、昆虫の羽、そうしたすべてをある種の…

縦糸と横糸

校正原稿一本と執筆中の原稿一本。 あいかわらずトルボットの写真をつなぐ縦糸や横糸をいくつも数え上げている。 あの格子窓写真につけられた1839年のテクストでは、像を拡大して格子模様を数え上げる可能性が示唆されている。同様にレース写真においてもな…

七変化写真

■研究会 昨日は写真研究会。久々の開催だった。 2本目の発表で天皇の写真に関して、戦後すぐのさまざまな天皇写真を見せてもらう。不思議なのは、例えば錚々たるスタッフの作成した『Emperor』という写真集での天皇のポーズや位置である。家族のスナップ写…

お水写真

明日の研究会の準備をと参考図書を探す。とりあえず天皇とイメージについての言説をいくつかめぼしをつけ、映画論で読んだマルヴィの議論を想いおこすことにする。 持ち帰り本、雑誌『Art it』第3号。その連載に都築響一氏のものがあり、その第二回がお水の…

写真研究会の告知

■業務 講義と講読。 講義は写真集論を始める。昨年度の反復も経ながらシャーフのお話まで。マーティン・パーの写真集コレクション本はやはり受けがよい。 ひとつの文化的モードとしての写真、そしてそのひとつの流通形態である写真集を巨視的にも微視的にも…

業務など

大学。ゼミで印象派と映画の上映空間。午後会議2本。プルースト/写真作者: ブラッサイ,Brassa¨i,上田睦子出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2001/03/21メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 6回この商品を含むブログ (6件) を見るをお持ち帰り。めくってみ…

双子漫画

知り合いが薦めたので漫画『モンスター』を読む。 これは双子の漫画。双子漫画論っていうのは以前別の知り合いからも聞いたことがある※。落としどころを考えながら双子漫画論の可能性について考える。書く気になったら初漫画論。※⇒この本であった。マンガの…

心霊写真派

東京日帰り仕事。大竹さんと対談。でも心霊写真で対談なぞ『アサヒカメラ』にしたら大英断ではないかとのこと。大竹さんとスタッフの皆さんには、喰いついてくれて感謝。お盆前に出ます。結構面白いかもしれません。 話に出たのが心霊写真派写真家と非心霊写…

準備作業

■準備作業 インタヴュー用に心霊写真研究歴のまとめ。2001年にサードギャラリーで話をしたレクチャーが、2002年に韓国のテレビ番組の関心を惹き、2003年には新聞社の取材が、2004年には論集が出版され、2005年今回のお仕事である。お盆すぎという原則がなか…

顔見世発表

午後院ゼミ。今日は顔見世発表。武満ケージコスース。

業務

■業務日誌 講義講読。 講義は写真の所有の話を終了して写真集論へ。写真を並べる課題を出す。ヴァナキュラー写真の一環でデコデンはできそうな気がしてきた。 講読はハンセン論文。クラカウアーの本が刊行された60年代と20年代のリアリズム論と現在のコンピ…

業務デコデン摩滅

■業務日誌 ゼミ。学生の発表を2本聞く。トロンプ・ルイユとリーフェンシュタール。前者は面白さをどこに落とすかが要で、後者は映像の分析とかが要だという感じであった。午後から会議。あっさり1本、少々こってり1本。公開講座の段取りを少し進める。お…

ジェフリーの言い分

■ イアン・ジェフリーは一方でこう言っている。 「彼の写真は、恣意的に並べられた自然の表象ではなく、きわめて規則的なパターンにしたがって選択され、構築された構成や組み合わせなのである。…〔中略〕…彼のカロタイプの明らかな主題=被写体は、表象手段…

戸を開くこと

この写真は『自然の鉛筆』のなかでも言及されることが多い。 以前アメリカの写真史メーリング・リストでもこうした初期写真をめぐって論争になっていた。 こうした写真における被写体の配置などについて、一般的に、周囲にあった何気ない事物を任意に撮影し…

箒の位置

箒写真と言っても何のことか分からないだろうから、図版を挙げる。 以前もここで言及したがトルボット『自然の鉛筆』の写真のなかでも最も有名なものが《開いた戸》(上の写真)である。テクストなどの詳細については過去のステレオダイアリに書いたので省略…

箒写真

http://d.hatena.ne.jp/morohiro_s/ でも言及はあったが、列車事故について考えなければならないことは多い。、『トラウマの発見』は一応購入。これが傷ましい事故であることは確かだし、被害者のケアが大切なのももちろんだけれども、都市における事故がど…

遅まきながらの2冊

眼の狩人 ―戦後写真家が描いた軌跡 (ちくま文庫)作者: 大竹昭子出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2004/01/11メディア: 文庫 クリック: 7回この商品を含むブログ (16件) を見るデジグラフィ―デジタルは写真を殺すのか?作者: 飯沢耕太郎出版社/メーカー: 中央…

理想的写真

向こうのステレオダイアリを久々にアップ(http://homepage1.nifty.com/osamumaekawa/stereodiary01-40.htm)。 写真は、昨日読んだ論文についていた一図版。汎神論的な、ロマン主義的な科学観に浸透されていた植物学が目指すべき目標地点を表象した写真とい…

方程式としての写真

Intersections: Lithography, Photography, and the Traditions of Printmaking (TAMARIND PAPERS)作者: Kathleen Stewart Howe出版社/メーカー: Univ of New Mexico Pr発売日: 1998/03/01メディア: ペーパーバックこの商品を含むブログ (1件) を見るが到着…

ハシゴの記憶

Fox Talbot and the Invention of Photography作者: Gail Buckland出版社/メーカー: David R Godine Pub発売日: 1980/07/01メディア: ハードカバーこの商品を含むブログ (1件) を見るを読む。そのついでに懸案のハシゴ写真を集める。 トルボットの写真には気…

巨大化しすぎること

■CMにおける巨大化の修辞 ローン会社のCMに人物が巨大化するものがある。イメージのレトリックとしては巨大化することにはそれなりの一義的意味があるのだが、イノウエワカ(?)の巨大化には何か違う巨大化を読んでしまう視聴者も多いのではないか。も…

植物イメージの大衆化の媒体

午前雑用。学会誌関係の仕事。プラントハンター―ヨーロッパの植物熱と日本 (講談社選書メチエ)作者: 白幡洋三郎出版社/メーカー: 講談社発売日: 1994/02メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (2件) を見るをめくる。植物熱の大衆化などに雑誌…