何へぇ


 1週おいて市民公開講座の仕事。今日は日本美術史から見た平家と日本文学から見た平家のダブル・ヘッダー。後者は、文字ではなく語りにおいて流通し、時間をかけて複数の作者とともに多面的な方向性をもつ媒体のはずが近代において固定した枠組みに閉じこめられ、滅びの美学に密接に結び付られることになったという平家物語像、これを脱イメージ化し、シャッフルしつつ書き直す作業として新平家物語を捉える話。前者はイメージのなかの、イメージの注文主、受容者、媒介者としての清盛を紹介する話。けっこうトリヴィア的「へぇ」が多い内容だった。休憩時間、造形大で教えた学生にもバッタリ。能の話をしていたら、興味をもってきたとのこと。宣伝してみるもの。
 ちなみにキーワードの「へぇ」。画面上でへぇへぇできる(http://www.dfnt.net/t/photo/extra_img/he-dfnt2.swf)。だからどうしたとは思うのだが。「へぇ」を議論すること。なぜ…これはまたの機会にしておこう。

 写真は会場となった百周年記念館。悲しいぐらい神戸のパノラマが見渡すことのできる開口部と内部の宇宙船のごとき講演会場。200人以上詰まると壮観である。