紙コップ片手に走る

 早朝起きで健康診断。老いも若きも偉い人も偉くない人もシャツ一枚になって並び、採尿コップを手に走り、血圧測定に一喜一憂し、神妙に採血される。朝早く行くと、規定値をオーバーした血圧を測り直しするラスト・チャンスをもらえたりもする。後日分かる血液検査以外は正常値。ひとまず当座はもつことを確認する。もう少しもちそう。

 終わって部屋に戻るとこの2ヶ月来作動しなかったエアコンが配電盤での漏電のせいで作動しなかったことを知らされる。国立大の省エネ対策と思い込んですっかりクレームをつけることすら思いつかなかった。機器の点検隊の後について屋上を垣間見ることができたのが怪我の功名か。

 合間に学生の発表ゼミ。できているところで何とかする器用さが重要な気がした。終わって会議3本懇談会1本。

 ユリウス・フォン。シュロッサーの『Tote Blicke』を持ち帰る。蝋人形関連でおさえなければならない基本書。おぞましいからというわけではなく、蝋の物質性が存在論的にも認識論的にも要となっているという事情がある。

 オフュルス『忘れじの面影』をようやく発見。ムーヴィングパノラマの事例を探し続ける。