幕の内

ようやく書類を終えて雑用にかかる。

■ヴィデオ論
ヴィデオについて考えている時にGSの電視進化論のことをすっかり忘れていた。
『GS たのしい知識 5号 電視進化論』
思い切りバブルな時代へと引き戻される装丁だが、案外重要な文献が幕の内弁当のように詰め込まれている。例えば、クレーリー、エーコヴィリリオ、ベルール、ファルジェ、ハル・フォスター、クーショの論考が出揃い、TVビデオ問題の1987年当時の議論が概観できる。
これが二十年前の雑誌とは。

■ニッポン・マンガ
今期はマンガ論更新もしなければと思いつつ
ニッポンのマンガ (アエラムック―AERA COMIC)
を買う。内容は、大賞受賞作家の短編新作、インタヴューなどなど。これも幕の内的。
短編は授業の素材にもなる。吾妻や諸星の受けは悪いのだろうが一度使ってみたい。

■小さなスナック
小さなスナック (文春文庫)
久々に風呂本として。時々落ち着くと読むナンシーもの。
リリー弟とナンシー姉。姉は弟の下(の)ネタにつきあいながら、時に呆れつつも優しくその余白で包み込む。そんな本。ごくシンプルな言葉で涙や笑いの投影を見込んだ最近のドラマや映画の造りなしがさらっと批判されたりもする。それはまた。