季節ものメモ
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昨日書いたようにセレクトを考える。昨年の9月くらいに考えたことをおさらいしてみる。繰り返しになるが、メモがてら。
『邪願霊』は、実録版の番組の体裁を採り、なおかつ最後は霊のカメラワークまで出てくる、ホームビデオによって可能になった巻き戻しや一時停止の映像の気味悪さが全面化した映画。
『学校の怪談f』には、通例の写りこんでいたタイプの写真もあるが、何よりも写っていたビデオが登場する。しかもそれが再生時に時制がくるっていくという画期的な用法。
TV画面が歪むことが心霊現象となるのは『呪怨』。この表現は結構新しかったのではないか。監視カメラ映像に登場する霊の影の表現も面白い。この粗い肌理の監視ビデオ画面をうまく使っていたのが『仄暗い水の底から』。
『回路』には、PCモニタを通じて開かずの間の途切れがちの画面が反復される。
そして当然このリストに加わるのが『女優霊』。入れ子式になった映画内映画の未現像フィルムに登場する片桐ハイリ似の霊の高笑いの反復。ムビオラでのギクシャク感の怖さ。
せっかくなので新ネタを追加したいところ。『ロフト』の低高速度記録撮影映像もこの際考えてみる。『叫』もDVDが出ていた。これは音を使ったホラー編としてまとめていくべきだろう。そうすると『降霊』の音響技師という主人公の設定も見逃せなくなる。あるいはこういう見えすぎる霊の問題としてもひとつの軸をもうけて展開しなければならないだろう。
…こういう素材を考えていると、今年も夏が来たのだと実感する。