沖縄5



…たぶん姉妹がユキサオリ姉妹のように動く理髪店なのだろう。

それはさておき。

最終日。
午前は、ジョジョ論のさわりをやって、MR論を半分披露して、学生さんの発表(廃墟趣味の現在)を聞く。
午後は年末に開館した沖縄県立美術館/博物館に移動する。《沖縄文化の軌跡 1872−2007》が明日までだったため。これまた学生さん(沖縄写真の系譜)の発表を聞きつつ見る。期待していた演劇は、あまりにも観客が多いので早々と断念する。ゆるゆると学生さんに駅まで送ってもらいさよならする。5日間あれこれ話をしていると去り際はちょっと気恥ずかしいものがある。

 沖芸の小林さんとも昨日食事をしてとても面白いひとだったので、美術館でこの本も買う。実は猫好きのひと。
すぐわかる沖縄の美術
 そして比嘉さんの『赤いゴーヤ』もようやく入手する。今回滞在中にそうした関連文献を少しずつ、本当に少しだけ読んでいた。沖縄写真史をまとめてくれた学生の話を聞いていると、写真の圏域がとても強くシャッフルされている感じがする。ヴァナキュラー写真論の素材はたくさん散らばっている。そういう意味では、収穫があった。安否確認のための写真、沖展の写真部門の話、沖縄写真倶楽部の話、『沖縄写真帖』二冊、米軍での撮影、写真学校を経た写真家の写真、外からの表象に拮抗する内からの表象としての沖縄写真、東松という分水嶺、『大琉球写真帖』などなど、まだまだ素材は拡がる。

 まとめると、5日間、―沖縄に来るひとのなかでは結構真面目に―授業を一日中して、その後はいつも泡盛を飲み、沖縄料理を食べる毎日だった。授業40時間、飲み時間20時間。大畑くんをはじめとして「若い」学生さんたちには感謝。写真を語る学生さんが増えてくれると期待したい。とりあえず夏に研究会をしようと思う。

 今日の写真は美術館博物館。あの、ブロックの横に強く踏ん張る四角をデザインに取り入れた建築。

 昨年10月に見た北の四角とは違う。ましかく写真論に対する、縦横に各々強いしかく写真論、そんなキーワードもあるかもしれないとも思う。

 空港で最後にきもかわキティの極、海ぶどうキティも購入する。こうなると改造人間のような趣が漂っている。ミミガーキティとかラフティキティとかも製品化してほしい。

以上、沖縄篇終了。次はパリ篇。そのあいだに校正二件。採点二件。雑用多々。