スクリーン論

■スクリーンの光景
ソブチャクの議論をざっと訳出。「スクリーンの光景」。
議論の要は、マルクス主義的な文化批評(ジェイムソンの文化的論理の説)を用いて、1840年代以来の写真的なもの、1890年代以来の映画的なもの、1940年代以来の電子的なものの区分を現象学的な立場からその主体と客体のあり方を論じたもの。主客が現実的世界内的関係のあり方を生成として経験できる映画を基準に写真と電子映像が腑分けされる。
それがこの論文の長所であり短所であるのかもしれない。
取り上げられる作品は、『ラ・ジュテ』『ブレードランナー』『レポマン』(あるいは『バックトゥザフューチャー』『ターミネーター2』『ロボコップ』)。
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■スクリーン論他
 テリー・キャッスルとキットラーのスクリーン論もチェックする。
前者はファンタスマゴリア論。翻訳が『幻想文学』37号に、その解説は高山氏のものである。
キャッスルの本はこちらキットラーのものはたぶんロマン主義と光学の関連。ラカンの比較的早い受容をもって文学を議論していた時期のもののはず。文学とスクリーンの関係もなぞれるかもしれない。
 ついでにミルネールの『ファンタスマゴリア』もとりだす。
ファンタスマゴリア―光学と幻想文学