インデックス、ガニング
京大講読。セクーラの最初の節に進む。
■ガニング
ガニングの「インデックスの何が問題なのかWhat's the point of an index? or, Faking Photographs」という報告を読む。デジタル美学というタイトルの学会のセッションでの報告のようだ。議論は明快である。デジタル写真登場時にインデックス性の消失などという賛否の議論が発生したが、それはそもそも事態を認識しそこなっている。
そうした言説ではインデックスという言葉がなぜかイコンになってしまっている。これがまずひとつ。写真という現象はそれを再認や指示の記号と見なしていく言説の絡み合いがある。これがふたつ。それを捨象して技術のみで語ろうが、アナログ写真もデジタル写真もある意味で同じようなプロセスを経ているのだ。ともかくインデックスという用語はもう使わなくてよいのではないか。大雑把すぎるが、議論の各ポイントはこんな感じだろうか。
ひとつ不満があるのは、19世紀から20世紀初頭に研究の本拠地をもつガニングが、それ以上デジタル的問題を考えていないこと。記号から記号への自動的先送り運動の自動性の表層に生じる歪みみたいなものが、身体を経由して読むべき今のアトラクションの映像なのだから。
ガニングの報告はここ。
ソブチャクのクイックタイム論もこの報告と同じ場でなされたらしく、両者についてのコメントもウェブ上にある。
ここやここ。
Change Mummified: Cinema, Historicity, Theory
- 作者: Philip Rosen
- 出版社/メーカー: Univ of Minnesota Pr
- 発売日: 2000
- メディア: ペーパーバック
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■準備
でようやく明日のマスコミ学会のレジメ作りにとりかかる。…これまでに発表した内容の短縮版。新素材を盛り込むだけの時間はなし。