田村の速さ

photographology2004-08-15

 オリンピック中継を見る。田村の技のかけ方の速いこと。おそらく相手の重心が移動するたびに複数の技が同時に身体的反応となって作動する感じ。くむとたんに崩しもはいっていつのまにか投げている。
 しかしそれよりも速いと思うのが、彼女が自身で作り出すキャッチフレーズである。マスコミが作る前に文章ができている。「田村でも金、谷でも金」、「最低でも金、最高でも金」、「前人未到の…連覇」など、マスコミがかける前にもうかけて投げている。田村の速さはそんなところにもある。ほとんどかけ逃げのような速さと落ち着き方である。
ところがそんな彼女もたじろいだ相手がいた。それが藤原ノリカであった。大会で優勝をおさめた田村に司会のノリカが一言、「全国の戦っている女性の代表として一言」、田村「…」。そう、田村の戦いは別に誰かを、ましてや全国の戦う女性なぞ代表してはいないのである。田村は負けられないから戦う、ただそれだけのことなのだろう。

今日の画像は、レポレロ。ロンドンのポートレートギャラリーで購入したもの。肖像がすべて面として立ちおきてくる一品。