グリフィス考

 ガニングのグリフィス論を読み進める。
 作品分析とコンテクスト分析の基本を確認した序論を経て、ジュネットの「narrative」の意味の三区分を参照しながら映画のnarrative discourseを設定し、それを再び三側面+一側面(時制、法、態、narrativization)から検討し、同時にこれと相関してテクストを分析の都合上プロフィルミック、フレーミング、編集へと分解しつつ、理論的な枠組みをおさえた後に、ボードウェルらとの違いとして語り手の問題を強調する。あくまでも理論的道具立ての確認の章。第二章は従来の誤りの多いグリフィス像の確認から始まる。今日はここまで。「見せる」ことから「語る」ことへの移行地点にあると言う以上の議論を整理すべし。
 ついでにエルセッサー編『初期映画――空間、フレーム、物語』も開いてみる。
 斉藤『心理学化する社会』を久々に読み直す。現在ドミナントになっている心理学と社会学という二つの言説とその機能を再検討すること。