プリントとタイプ


 喫茶店をさまよいつつ考える。
 「プリント」と「タイプ」ということについて考える。写真も書物も版画もプリントと呼ぶ。元の型になるものであるタイプも写真にも活字にも用いられる――ダゲレオタイプやカロタイプという名称――。型の反復は布の柄――レース織でもそうだろう――にも用いられるし、無機物の構造にも転用可能である。考えてみるとトルボットが掠めたあらゆる媒体はプリントとタイプであったのではないかと仮説を立ててみたくなる。彼がアッシリア楔形文字を扱ったのは、それがタイプだったからではないかとか、鉱物のコレクションをしているのはその模様の反復性ゆえだったのではないかとか。

とりあえずステレオダイアリ(http://homepage1.nifty.com/osamumaekawa/stereodiary75.htm)に出発点を記す。写真集論の裏地のような話である。