所有にとりつかれること

photographology2005-04-28

 講義講読の日。講義は3月の所有シンポジウムの話をして材料をだして終了。発明以来写真は2種類の所有にとりつかれていた、ひとつが現実の所有でありもうひとつが芸術としての所有である、しかもその根源にある写真には写真集という物の所有と被写体としての物の所有が含意されていた、こういう5つの所有の話をする。それにしても芸術と所有という問題設定に関してあまりこだわりがないリアクションに少し拍子抜けしもする。

 講読はハンセンの挑発的な出だしを消化して終了。


 ようやく『美学芸術学論集』が出来上がる。サイズが小さいため見えにくいがいちおう画像をあげておく。研究室サイトに送付希望のページを作っておきたいところ。

目次は以下の通りです。
 ・前川修 写真集を読む――トルボット『自然の鉛筆』論――
 ・中西ひとみ リヒャルト・ワーグナーさまよえるオランダ人』の
        オペラ形式をめぐる問題――シェーナを中心として――
 ・伊藤政志 趣味の背理――ハチスンとヒュームによる美的感情の位置づけ――
 ・富田大介 岩下徹 即興舞踊論試論
       ――H・ベルクソン物質と記憶』の読解を通して――
 ・松谷容作 【書評】
       パスカル・ボニゼール著『盲目の視野――映画についての試論』