パンチカードとしての写真

 クラウス「アヴァンギャルドのオリジナリティ」を復習。ピクチャレスクの問題にもかすっている。

 バッチェンによるトルボットのレース論を読んでいると、カロタイプについて通常言われているダゲレオタイプに対する特性、つまり鮮鋭さではなくマッスがあるとか、あるいは金属の滑らかな表面にたいする紙の繊維に浸透した感光剤の変化による肌理の問題とかという言い方以外に、紙の縦横の格子状の繊維による正確な現前と不在の記録という言い方もあながちはずれてはいないのかとも思う。いわばコンピュータのパンチカードのような写真。
 そのうえで葉っぱの写真、昆虫の羽根の写真、鉱物の顕微鏡写真などの模様の写真を見直すことにする。
 使い方が謎だった太陽顕微鏡の詳細をようやく見つける。これは太陽光を鏡を通じて筒の中に取り込み、被験物を見るというものである。ただしそれは直接のぞくことはできないため、壁に投影して複数の人間が拡大像を見たり、暗箱に装填したりしていたようである。いくつか面白いポイントをもつ装置。顕微鏡と望遠鏡の位置価値の変化なども考えないといけない。

植物学と植物画

植物学と植物画

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