縦糸と横糸2

■校正
対談原稿を校正。あまり会話体が消えないように気を遣う。7月号に掲載の予定。自分の文章と先方の文章がかけあう様を調整するというのは面白い経験だった。

■縦糸と横糸の話。
 格子窓、レース、植物の繊維、鉱物、昆虫の羽、そうしたすべてをある種の幻灯機=カメラ・オブスクラで映像にして露光すること。これは『自然の鉛筆』のなかでのカメラ・オブスクラでの不可視光についての記述にもつながる。
 トルボットにとって自然であれ人工的事物であれ重要であったのはその肌理、あるいは柄の反復だったのではないか。レースと植物が併置され露光された一枚のコンタクト・イメージはそうしたことを示唆している。それは植物に汎神論的な秩序の顕現を認めようという志向(ニッケルの解釈)を踏み越えていくのではないだろうか。そして紙の繊維にまで銀の粒子にまでそれは拡張できるのではないか。
 そんなことを考えながら文章を書きつぐ。まだこれで内容としては6合目。