ステレオ旅行

■ステレオ旅行鞄
取り出したこの木製の鞄。まるでこぶりな旅行鞄なのだが、

開けてみると

ステレオ写真とヴューワーの詰め合わせになっている。
限定復刻版ではあるが、もとは1900年ごろのもの。日本の風景を撮影した外国向けのステレオ写真セットである。ステレオ写真を見る行為がある意味で(時)空の旅であったということが即座に分かる一品。…でも授業で見せてもあまり皆感動しないのが悩み。

■仕事
 泥絵論とギャラリー画論。前者は、美術史的血統のなかでは、つまり風景画として見なせば逸脱としか見なされない泥絵をトポグラフィ論から捉えなおす議論。後者は明治19年の「ギャラリー画」をコレクション論を介してアプローチすることで、イメージが表象しえぬものを表象する様態を細かに分析した論文。個人的には泥絵の青とコレクション後史がとても気になるところ。
 ファッション論も読み直す。モードの革新による身体の解放といういかにも解放的な言説にまったをかけ、解放されたといわれる身体もすでに表象にすぎず、そうした記号として衣服と身体を表象の力学のなかで徴候的に読み解くための出発点を呈示した論文。

 さてまとめにかかる。