目利きと写真
■ザンダーの風景
大学へ。
ヴォルフガング・ケンプのテクストが付いたザンダーの写真集Rheinlandschaftenを借りる。パノラマ的資料のひとつとして。このテクストについてはモルダリングによる批判もあり、少し掘り下げていきたいところ。
■目利き
目利きの話を読む。
絵の目利きではなく、右目利きと左目利きの話。
ゴルフのパッティングやビリヤードやたぶんダーツなどの照準を合わせる競技などと関連してこれが話題になるようである。そして、右目利きの人が大半であり、したがって、例えばカメラ機器も右目利き用が大半になるという。右目をファインダーにあてると鼻がカメラ本体に接触せず、右手人差し指でシャッターボタンを押すカメラのデザインはこうした理由に由来しているのだそうだ。デジカメのさまざまな操作ボタンも真ん中から右よりについているのはそうした理由もあるのだろう。
対照的に、左目利きの場合には、鼻とカメラ本体や操作ボタンが接触し、いつも少し浮いたりずれたりする状態でファインダーを覗くことになる。また、左右の目からの入力やそれぞれの機能が必ずしも左右対称ではないことも考えあわせると、左目利きと右目利きの写真家の写真の特色というものが生じるのかもしれないという推測もできるかもしれない。もちろんことはそんなに単純ではなかろうが。写真行為論へ引っ張ろうかとも考える。
以前、デュシャンのあの遺作の扉部分についた鼻の痕跡をスライドで大写しにして見せた研究者がいたことを思い出す。大写真家の愛用カメラの鼻の跡とかないものか。
■ベタな指導
今日面談した学生に紹介した本。
- 作者: 小林康夫,船曳建夫
- 出版社/メーカー: 東京大学出版会
- 発売日: 1994/04/08
- メディア: 単行本
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- 作者: 東京大学教養学部ドイツ語部会
- 出版社/メーカー: 東京大学出版会
- 発売日: 2002/09/01
- メディア: 単行本
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またCritical Inquiry、New German Critiqueなどの雑誌は、それぞれ
http://www.uchicago.edu/research/jnl-crit-inq/
http://www.arts.cornell.edu/ngc/
ジェフ・ウォール作品が表紙になった31巻3号ではマイケル・フリードの「バルトのプンクトゥム論」が掲載されている。2号にはサイード追悼の他、ベルティングの英訳もある。
http://www.uchicago.edu/research/jnl-crit-inq/issues/date/vol31n3.htm