みっちり


今回ウィーンに滞在したのはMAK(工芸美術館)で20日から3日間に渡って開催されるリーグル没後100年のシンポジウムを聴きに行くためであった。
何しろ合間に無理やり入れた強行日程で3日間しか滞在できず、シンポは朝から晩までみっちり。そういうわけで基本的には寄り道なし、早朝ないし夜のみ少しぶらっとしかできないみっちりの3日間であった。

 ピルグリムガッセ近くの宿からナッシュマルクトをぷらぷら歩くとすぐにゼセッションの金のオハギが見えてくる。そしてカールスプラッツ駅を横目に見ながらリンクに入ってオペラ座を横目にしながら早朝で誰もいない旧市街を歩く。べたべたなコースである。リンク(環)状に空間を埋めつくしそれを軌道によって整序する編成、これがたぶんみっちりの記念都市ウィーンに来て思うことである。みっちりこてこてと空間を年代記的時間軸とともに埋め尽くしていく。

 ニ日目。
 メルシュ氏の「リーグルの古さの価値〔Alterswert〕には何が残されているのか?」とヘーレ氏の「リーグルの『記念物崇拝』の成立」。
話自体はなるほどという感じ。質問にクレーリーを経由した心理学との関連とかなされていたが、どちらの質問者もあまり関心なしといったところ。