にんぎょうとひとがた
■薦めない映画
映画『TAKESHIS'』へ。
評価についてすでにいろいろと聞いていたので、とくに期待もせずに見に行く。
案の定、観客はおそろしく少ない。たぶんシネコンの地下というのは興行的に厳しい作品が上映されるのかもしれない。
一文でまとめてしまえば、これまでの監督の作品の諸要素をすべて距離を置いてランダムにつなぎなおし、その間に監督自身の複数の自己像を挿入してそれも断片化させたうえで入れ子状に組み立ててみた作品とでもいうべきか。
始まって1時間くらいで変に気持ちよくなってしまった。主役ばかりでなくすべての役者が幾重にも折り重なった複数のシーンに顔を出し、緩くずれて別のシーンと繋がっていく編集の仕方が、監督と俳優と作品とそれぞれのイメージを気持ちよくご破算にしてしまうようなリズムが、たぶんその原因だったのだろう。
大部分の感想が、彼の内面の複雑な心理機制を映像化したものという読みをするとは思う。しかし逆に、すべてをひとしなみにフィルムの上に載せてしまったという読みもある。
他人には薦めない、でも期待せずに見てみることがあれば、予想外に面白いかもしれない。
■にんぎょうとひとがた
菊人形展、学生たちの講評。皆厳しいけれど、いずれも当たっている部分は多いと思う。大河ドラマの音楽がタブローでこれでもかと鳴り響いていたのも、ポイントかもしれない。
アムステルダムの大味なタブローとグレヴァンのこれでもかの密集したタブローをもう一度調査に行こうと思う。ビデオなりスチル映像でタブローを掠めたり、非タブローに侵入する感覚を再現することが次の課題になりそうである。
http://d.hatena.ne.jp/shirime/20051124
http://d.hatena.ne.jp/tatsuya_i/20051124
http://d.hatena.ne.jp/sakakibara1984/20051124
- 作者: 小林伸一郎
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