菊/人形
■業務
午前ヴィジュアル・リテラシーとマンガの講義をして、午後枚方へ。
96年の歴史を終える菊人形展を学生と見に行った。
菊の匂いのむせかえるなか、タブロー型に配置された人形のシーンを9つほど見る。
たぶん菊人形展が終わりを迎えるのには理由がある。菊師の老齢化という理由以上に、人形による展示という形式が機能を終えてしまったという理由があると思う。9つの場面を通りすぎたところに掲げられている、申し訳程度に菊人形の歴史を説明するパネルがそれを直裁に物語っている。
例えば次のパネル。
防犯やニュース、新風俗やセレブ、そうした時機に適った主題と菊人形ではない人形が生人形と同様の浅い奥行きのなかに展示され、人々はこれに群がっていたようなのである。いつしか大河ドラマという幾層にも構成されたプレテクストを前提にして人形を展示しなければならなかった時から、おそらく菊人形展の衰退は始まったという印象をもった。
ただしこれとはまったく逆の視点もとることができる。
すべては菊のための口実であり、菊というシンボルをいかにしてテクストの間に滑り込ませるか、そのためだけに人形は存在するのだ、とか。
菊/人形。園芸技術とそのシンボリズムをここに加えて考えること。
暫くは菊人形の歴史小冊子が配布されているのでこれは入手しておくといいかもしれない。他のアトラクションこみで一本という感じであった。菊人形だけだと「有効」未満。しつこいけど言い添えておく。
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書きかけ