謹賀新年

             
                     あけましておめでとうございます。
                     本年もよろしくお願いいたします。

■ステレオの快楽
The World of Stereographs
次はステレオ写真論。コレクターの自慢大会みたいな本や無時間的な解説は多い。
これもその一種には違いないが、データや分類がいちおうついていて参照資料になる。
いずれにしてもステレオを溜め込むことの快楽も数々のステレオ写真収納ケースから指摘しなければならないだろう。

もうひとつはステレオの醸し出す現在的な時間感覚の引き起こす快楽。これは一昨日の妙な時間性とも結びついている。そしてそれはモンタージュ/コラージュの時間性にも発展していきそうな気がする。クラウスが言う、モンタージュはあまりに単層的な時間性しかなく、多重露光には現実にある差延が含まれているというのは、一面ではあたっているけれども、あまりに単純な分割区分に思えてしまう。ここがつっこみどころになる。剥離する精巧な面の運動と静止を特徴とするステレオ写真が重要なのは、こういう地点にもある。