巣穴的なもの
悲しいかな会議続きで今週は6日大学。
なのでざっと今日の欄にまとめて書籍情報など。
■写真論の現在
これは買い。詳しくは時間があればどっかに書きます。
■授業素材
木の講義では9・11における各種映像について喋る。
時間内にざっと素材として見せたものはこれ。
- 出版社/メーカー: ブロードウェイ
- 発売日: 2002/09/27
- メディア: VHS
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最後から二番目の戦争とメディア特集号所収の生井論文「写真と外傷」には、この事件に際しての三つの写真表象が呈示されている。残酷な場面をあえて露悪的に示す写真映像、写真家たちの美的な、それゆえに外傷的になる写真、そして街頭に貼り出された尋ね人写真――笑顔で微笑む顔づくしゆえに外傷を喚起せざるをえない映像――。三つの写真のありかたが手際よくまとめられている。
これにさらに当時TVで反復されたニュース映像、公開自粛になった映画、事件を基にした映画、ネット上での各種アイコン的画像、事件をまとめたDVDのパッケージ写真、また見せられなかったけれども、組写真で語られた当時のライフやタイムの紙面。こうしたものを加えて考えることを話す。
そしてこれだけの映像が相互参照しあいながら、可視性と不可視性、存在と不在、過剰と過少、デジタルとアナログ、その他さまざまな対立項の境界を崩しつつひとまとまりの映像群としてある。もちろんカンダハールもここには挿入しておく。
以上、後で素材を知りたい方のための記録。
■朗読会
大竹さんの朗読会に行く。
大竹さんとは一度だけ雑誌のインタヴューでご一緒した縁でお会いするのは二回目。最初に会ってその物腰と話の速さでファンになってしまったひとのひとり。
ネズミ話面白かった。ピアソラの音に左右首振るネズミたち、飛び上がるネズミたち、せつなくも異時間的次元を知らしめてくれるネズミたち。8畳間に「放牧」されたネズミが見下ろす視野の広さ。そしてかむことに熱中している際の狭さとその偶然性。そうしたネズミから読み出される巣穴的なものの可能性。
最後に著書を買ってスナネズミスタンプを押してもらう。
その後、フクさんと出版社のひととで飲みに行き終了。楽しかった。
ネズミ話、どこかで書こうと思った。実は飼育経験が結構ある。
本はこれ。