監視映画(像)論10


表記を変えておこう。ビリイは映画村でエクササイズするのだろうか。やるわけないか。
Billy's Bootcamp: Ultimate Bootcamp [DVD]


■新幹線カメラ
それはさておき、
もうずいぶん前から話題になっていた新幹線の監視カメラの話。
それはここ「新幹線の新型「N700系」に防犯カメラ60台設置 asahi.com」。
埋め込み式の開口部の上部に、監視カメラのアイコン。
週末にでも撮ってみよう。資料用。


■監視映画論10 見えすぎて困る映画
 以前あげた作品『ミッドナイトクロス』を見る。『スネークアイズ』のあの見えすぎて困る映画のデ・パルマ前段階を追ってみる。なおかつその構造に監視的問題が入っているものがいい。原題『Blow Out』。
ミッドナイト・クロス [DVD]
 映画の録音技師の男が偶然要人暗殺の音を拾ってしまい。録音を用いて…という内容。
ヒッチの叫びシャワーシーンのB級コピーが映画内映画として入っている。パッケージのごとくトラボルタは叫んではいない。音楽はどうかと思う。『欲望』音声版だけに、電話の音、映画内映画の音、盗聴器の音、イメージに音を同調させる編集作業、花火でかき消される音、恋人の最後の叫びの録音テープ、音素材は多々あるが、少々未消化な気もする。地下鉄の駅シーンで、もっと音とイメージのずれをどうにかするともっと面白い作品かもしれない。

 それはさておき、スネークアイズでの壁抜け天上抜けショットの原型はある。駅のシーンに二箇所、録音技師の自宅のシーンに一箇所。分割された空間を連続したカメラワークで見せようとする試みもある。カメラの動きは意識されるぐらい激しい時もこのようにある。ただし、決定的な違いは、カメラワークはまだ映画内、物語内にふみとどまっているということ。
 レヴィンの議論は、この映画のタイトルは挙げるもののそこまでは論じない。
 比較には使える事例。