偽装、メディア、ハンニバル

■本屋にて
現代思想2007年11月号 特集=偽装の時代
偽装について港氏と長原氏の対談があり、写真についてもいくつか言及あり。

メディアは存在しない

メディアは存在しない

を購入。連載時、どうしてもすっ飛ばしがちだったので。
羊たちの沈黙 (新潮文庫)ハンニバル(上) (新潮文庫)
も購入。映画にはない、レクター博士テルミンを演奏するシーンが原作にはあるそうな。調べてみる。…ハンニバルのほうだそうな。

■MR
の要の道具立てのひとつとして逆回し映像がある。プリコグがトラウマ的像として反芻する像、それがなぜか断片的であるのみならず、逆回しになっている。それゆえに映像の部分的削除が可能になり、犯行が成就し、プリクライムの映像システムは完結する。しかしその映像の欠落が明らかになるのは、逆回しになった湖面の波紋なのである。迸り跳ね旋回し波打つ水もMRのひとつの軸になる。冒頭の断片的映像からそれは確かである。
 また、目のくりぬき後の夢のシーンから浴槽に沈みやがていまだ盲目のはずの目を危機に晒すシーンに至って、主人公は見ることや目、見ないことと物としての目を、外部的に用い、表象することを引き受けていくのかもしれない。いずれも水が道具立て。