映画的時間と鼠論

■映画的時間
ドーンの『映画的時間の出現』序文をざっと読む。講読の素材。
以前も書いたように2章のみ訳がある。とりあえず7章の「瞬間とアーカイヴ」にすすむ。
最終章であるため、序論で口上を述べているほど現代的問題は大きく議論されていないが、いくつか興味深い作例が挙げてあった。
 たとえば、ビル・ブラント『壁の取り壊し』(1973)、ボワシエ作品(についてのベルールのコメント)が挙げられる。後者は訳されている。前者は捜索中。

ルソーの時―インタラクティヴィティの美学

ルソーの時―インタラクティヴィティの美学

 初期映画のインデックス性と現代のインデックス性をひとつながりに論じる点は、少々疑問であるが、爆破、解体、処刑の映像群がなぜ依然として映像の焦点足りうるのかについての説明は納得がいく。また、全体としてフロイト、マレイ、パースを技術的環境と時間意識と身体の絡みからパラレルに論じる点は面白い。

2001年に開催された会議「Stop Motion and Fragmentation of Time」も面白そうなのでついでに検索する。

■鼠論
合間に以前からまとめようと思っていたネズミ論文もざっと読む。
それが、ミリアム・ハンセン「ネズミとアヒルについて:ベンヤミンアドルノのディズニー」。
ついでに1991年開催のドイツのミッキー・マウス展のカタログも見てみることにする。
それはこれ。ほんのわずか掲載画像を見ることができる。