ブラジルと写真


■ブラジル系作品
 豊田市美の展覧会「Bloomimg ブラジル―日本 きみのいるところ」最終日に駆け込む。ブラジル現代アートを見る。ヨーロッパでふと見かけた展覧会でもブラジル系現代アートは面白いものが案外多い。写真関係では今回は、ベレンの《生物画》、マレッペ《甘い椰子の木》などなどを見る。他にも、エクス・ヴォトを想起させるアルメイダ作品、川内倫子サンパウロでの展覧会作品ものなどもある。色使いと壁面の断ち切り方と個々の物の切り出し方、それをつなぐリズム。それが全体として印象深い展覧会だった。
 写真の起源のひとつとしてブラジルも挙げられることが多い。イメージにそのつどヴァナキュラーな変形を施す受容のしかた、そのイメージを介しての身体と宗教との強力な結びつき、それがこういう展示からも少しだけ読み出すことができる。もちろん、そうしたダイレクトな作品はなかったのではあるが。


■のろいビデオ3
のろいのビデオが日々届く。うらまれたりのろわれたりしているからではない。購入しているからだ。
一日一本、消化していく。

物語的オチのある心霊映画に比べて、心霊ドキュメントの体裁をとったものは、投げっぱなしジャーマンみたいなものが多い。しかも、シリーズを見始めると、前シリーズを見たひとはこういうふうなものを見たという投稿がありだから云々というように連鎖がつけられ、まるで起き上がりこぼしジャーマンみたいな構成が目に付く。いわば毎晩投げっぱなしを食らう修行のような毎日である。
今夜はこれ。

ほんとにあった! 呪いのビデオ~special3 [VHS]

ほんとにあった! 呪いのビデオ~special3 [VHS]

このなかでは、透ける様式の「侵入者」、拡大が怖さを増す「漂流する霊」がよくできたものだった。いずれも監視物また、見終わった後の映像の乱れ系として「中古ビデオ」も挙げておこう。

小池氏の前掲書(『呪いの心霊ビデオ―怪奇探偵の調査ファイル』)によれば、こうしたビデオ集に集められている多くの作品は映像のできのよしあしがかなり大きいという。たしかにどうしようもないできの悪いものを次々と見せておいて、直後に質の高いものをぶつける。ガードを緩める独特な構成法である。それも含め、心霊映像論として立ちそうな気もする。

続きは明日。