ターゲット他


ポスター作り、予算消化、授業準備。休みなし。

■ターゲット
殺人者はライフルを持っている! [DVD]
以前紹介した議論のなかで、ホラー映画の転換を示す一事例として挙げられていたので見る。物語的な因果や中心的な場所やいかにも不気味な性格付けを特徴としていたかつてのホラー映画の名俳優が、サイコキラー、動機も欠如し、ただ無差別に高速道路やドライブインシアターで殺戮を繰り返す殺人者へとホラーの主役の位置を譲りわたすような話。
 ラストの映画内と映画外の呼応や、映画内映画の終わりと映画そのものの結末への時間の詰め方がよくできた作品ではある。

■BTTF
 『現代アメリカ映画研究』の8章前半を読む。素材が『バック・トゥ・ザ・フューチャー』。前半はフロイトラカン的読解を段階的に披露し、後半は新ラカニアン、つまりジジェク的アプローチを試みるという内容。
 第一に、この映画は、さえない僕、脆弱な父とだらしない母、学校にはサディスティックな教師、近所には風変わりな発明家、こうしたさまざまなバリエーションで変奏される対称的/非対称的エージェントが構成する環境。そのなかで時間旅行機を用いて、過去へと遡行し、過去における父を奮い立たせ、母とのタイミングのよい出会いを演出し、ありうべき核家族を鋳直す、いかにも単純な解釈コードにのってしまいそうに見えるストーリーである。
 しかし、筆者は、通常潜在的である解読要素があまりにも明瞭に表面に編み上げられているところに目を向ける。抵抗と転移をむしろここには見て取らなければならないという。あるいは窃視症や縫合理論をあからさまに参照させるシーンも同様である。

後半はいずれ。