時間の操作

■時間の操作
 昨日授業で扱ったエルセサーの議論を読んでいると、
 『バックトゥザフューチャー』は実に老獪な作品だということが分かる。時間を操作しつつ、歴史を書き換えずにその諸要素の連携によって微妙な仕方で隠蔽し、大団円ないはずの大団円を前面に印象づける。他の80年代から90年代にかけてのリバイバルしたハリウッド映画のなかでのこの作品の特異性も際立ってくるだろう。これは面白い。
 もちろん一連の作品が欲動に突き動かされた実にリアルなものとしてフレーミングされているのは少々不満であるし、想像界現実界の記述がしばしば曖昧なところは解釈者の曖昧さに由来するのだとは思う。
 だが、現在も蔓延している映画映像における時間操作(早回し、静止、逆回し、低速化)の手法が、どうやら従来とは別の用法、いやむしろ「症候」としてあぶりだす意味がありそうなことはよく分かった議論であった。
 
■講演会
講演会準備をする。お時間のある方、どうぞ。1時間15分バージョンです。
こちらにポスターがあります