アルバム、好況


■アルバム、好況、遺影
先日のニュースで、不景気にも関わらず好調な企業の特集をしていた。そのひとつが、個人アルバム制作会社だそうだ。カメラ日和とか女子カメラとかLoveカメラとかを久々に調べてみる。…でもこの会社、もともと遺影の制作会社なのだそうだ。
カメラ日和 2009年 01月号 [雑誌]vol.22カメラ日和 2009年 03月号 [雑誌] VOL.23女子カメラ 2009年 03月号 [雑誌]

■ニューフォトグラフィ関連
 1930年前後の肖像写真の問題を論じた論文を集めている。まずはザンダー関連から。凝集し拡散する顔の統御は30年代以降はしばしば議論されるが、20年代の話はなかなか見えてこない。『20世紀の人間』の諸論文が収められた巻のクラウス・ホネフ論文(エッセイ)を読む。が、あまり得るところはなし。唯一面白かったのは、個人の表象が匿名の集合的表象になり、これと映画スターの写真が並行的関係にあるという指摘。
 オクトーバー誌のドイツ20−30年代写真/芸術特集号に掲載されたジェニングスの論文も読む。こちらは論文らしい論文、1928年から顕著になったフォトエッセイを写真のシークエンスを基に複雑に読んでみようという内容。ザンダー『時代の顔』では農業国から工業国への岐路にあり、不安定で混乱した力学を見て取ることができるという指摘があり、ローとチヒョルトの『写真目』では、向かい合う見開きページの対のイメージにおける、ある不穏さが指摘されるとの読みが呈示される。3つめの例が『世界は美しい』である。
(つづく)