遭遇未遂、切断未遂
提出論文読み生活ひきつづき。
■『世界は美しい』、切断面
ジェニングスのつづき。
議論の主旨は以下のようなもの。レンガー=パッチュにおいて際立っていたのは、世界の事物が私たちの視覚をいかにして形成するかという問題であった。そのことを示す装置である写真は、自然の対象の個別化と抽象化をリズミカルに行いながらも、さらに象徴的な意味を含意させる構造を打ちたて、さらには自然のみならず、産業施設や産業製品に関しても同じ呈示の仕方を繰り返している。目の教育、視覚を学ぶことという彼の言葉はこうした構造や意味の理解に向けられている。
ここまでは、以前紹介したシムズとほぼ同じである。だが、一方でシムズがその構造の一貫性から、30年代前後のイメージによる神話的象徴の主張に批判を向けたのとは違い、ジェニングスはこの写真集の写真の何枚かに、存在の根源へといたる道の分割、切り詰め、阻止を読み取ろうとする。
…ちょっと読み込みすぎの感はある。産業と農業の間に不安定なものを読み込もうとしすぎたためのような気はする。
以上メモ。