物、写真、インド

9月。今月もやはり忙しい。

■物としての写真

 物質文化特集で一本書けいとのことなので、ひとまず下記の関連書をざっと読みつつ、ヴァナキュラー写真を「物」として論じることにした。…締切はとうに過ぎているのではあるが。

Materiality (Politics, History, and Culture)

Materiality (Politics, History, and Culture)

 ブルデュー、ラトゥールらの概念を参照しながら、物を主客の二項対立を回避したしかたで志向するのは分かる。ただ、あまりにも当たり前といえば当たり前の議論でもあり、少々具体的な議論を掘り下げたくなる。巻末のピネイの議論を読み進める。

 ベルティングも挙げていたピネイの本も注文。写真のなかのポーズが写本画というメディウムをなぞった間メディア的事例が指摘されていた。もちろん、ベルティングは肝心のところで眼差しに経験を収斂させてしまうのであるが。インド写真史もこれからの写真論の対象になるだろう。
Camera Indica: The Social Life of Indian Photographs (Envisioning Asia)Traces of India: Photography, Architecture, and the Politics of Representation, 1850?1900 (Yale Center for British Art)The Coming of Photography in India (Panizzi Lectures 2006)Photography's Other Histories (Objects/Histories)