今週も出張
■出張
日曜日に学会の打ち合わせなどの会議があり、東京。翌日は同じく東京で夜に写真集の出版記念パーティーに出る。
その合間にまわったのは月曜日なのでどこも閉館のため、森美術館。医学と芸術の展覧会。いろんな意味で広すぎるのでなんか散漫であった。それにしても草間カボチャと蜷川花とトラヤンミニチュアの商品販売には脱力する。なんだかな。
神田にも立ちより、古書店でいくつか面白いものも見つけたが(90年代に開催されたフランクやエヴァンズ展のカタログ)、朝から歩きづめだったので断念。こんなのを資料に購入。
- 作者: アランジョベール,村上光彦
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 1989/10/10
- メディア: 大型本
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夕方から写真家笹岡さんの出版記念パーティー。こういう機会は面倒だし照れくさいし何より居場所がない、だから滅多にうかがわないけれど、今回とてもよいパーティーだった。それぞれのスピーチが見事に凝集されている。「獰猛な静けさ」とか、「きびしい」写真集とか、「簡単な近道を迂回するための勘に優れている」とかそれは写真家の近くにいてみまもっていたひとだからこそ、出る言葉なのだろう。
でもそうした周囲の言葉よりも印象に残ったのはむしろ写真家自身の言葉。だいたいこんな感じだったか――写真家は職業でもないし/でもあるし、表現者でもないし/でもあるし、そのほかでもないし/でもある、写真をやることは写真以外のこともやることだ。たぶんこれは写真研究にも当てはまったりする。もちろんそれ以上に、写真集のかたちでようやく今までお世話になっていたひとのまとまった仕事を見て考えることができるようになったのがありがたい。
インスクリプトの紹介ページはこちら。濃厚なラインナップも見てほしい。
それにしても密度の高いパーティー。倉石さんに久方ぶりにごあいさつ、土屋氏にもお目もじする。そのほか、あまりに密度が濃くて挨拶できなかったかたも多し。
広島表象については、ずいぶん以前にも別のところで書いたが(HPのドイツ語文章)、先日出張の際の報告に挙げたリュケン氏の『1945−Hiroshima』も挙げておこう。アマゾンフランスのこれ。この本にかぎらず不在の表象可能性不可能性が二重化しねじれた力学を形成しているなかで表象を紡ぐという問題構成がある。倉石さんも引いていたリピット氏の本は翻訳稿もすでにあがっていてあとは出版を待つだけなのだがどうなんだろう。
来週末は久々の九州集中講義、クリスマスに怖い素材をもっていき学生にふるまうという通称黒サンタ仕事。少しだけノートも更新する予定。