監視関連、その他

◆監視関連

空間管理社会―監視と自由のパラドックス

空間管理社会―監視と自由のパラドックス

も読む。問題が整理されていて通勤読書には最適かもしれない。阿部論文をざっと読了。見張りから見守り、禁止から自由、事後から未然という基本的概念の力点の推移は納得。この推移が従来の全体主義的な趨勢を批判する監視論では漏れてしまう。そういう意味で、監視への抵抗を喚起しにくい、テーマパーク化された自由な空間にたいして、空間の自由を説く論旨も分かる。そのために、ポリフォニックな視線と音が構成する空間の設定が要請されることも分かる。ただし、そのポリフォニックなシステムを担保するメディウム自体も推移しているのだから、もう少し他の章も読みつつ考えてみようと思う。
 ともあれ、写真映像などの監視論では、こういう問題構成を十分に引き受けていない論も多いので、引き続き参照しつつ考える。

 今日はワグ作品のメディアでの取り上げ方などを話をしてセクーラの古典的な議論をざっと解説する。セクーラの議論をもう少し現代版にバージョンアップするには、いくつかの概念を付け加えて考える必要がある。セクーラやゴールトンの下敷きにあった言説のひとつ社会統計学についても文献をぼつぼつ読みはじめる。『偶然を飼いならす―統計学と第二次科学革命
 来週は監視と写真を扱った作品をいくつか見せつつ話を進める予定。

◆イベント、研究会
2日前に告知したイベントが明日です。
翌日は映像の学会が神戸であります。詳細はこちら
その翌日はサブカル研。これはクローズドだけど。。。