弁士本

昨日は神戸で下記に案内した研究会。最近、小ぶりな研究会が無数にあるのは仕方なし。
 二つの報告はそれぞれ、これまでの数年にわたる成果を下敷きにした厚みのある報告でひたすら勉強になった半日だった。もちろん、資料がなかなか埋まらない、仕方のない部分はある。でも、概念的フレームがもう少し同時に前景化してきてもいいと思った。たとえば、制作者からはみ出し受容者を代表しているようでそこからずれ、企業や検閲のあいだ、音と映像のあいだ、既存のジャンルのあいだで、奇妙な反復と差異を繰り返す弁士の身体という中継地点とか、面白い問題は無数にある。
終わってさまざまな弁士の声をIpodで聴きつつ、その雑多な集合体としてのありように少し驚く。日本の映画の起源ももう少しきちんと資料を漁っていかないとならないかもしれない。駒田本は聞くからに面白そうな本。
 頗る非常!―怪人活弁士・駒田好洋の巡業奇聞