業務

■憑依
論集の誤植を発見し、笑ってしまった。表紙のチェックは任されていないのでやむなし。ご指摘いただいた方々ありがとうございます。ヒョウイに心があろうがなかろうが大差ありません。憑と馮いずれでもhaunting、そしてrevenantという反復的でらせん状にずれたとりつきのことです。

■盲目
教養では盲目の牛話をして、映画の基本的話へ。前者の盲目の牛というのは2002年にスイスの博覧会で体験した、暗闇で諸々の経験をさせるアトラクションだったのだが、授業後の学生の情報によれば「ダイアローグ・イン・ザ・ダーク」という形で展開されているのだそうだ。サイトはここ。ひとにやさしくなれるかは分からないが、知覚のギアは変わると思う。

■キャラとフレーム、表層の深層、MR論
 午後の演習では、まず『テヅカイズデッド』で70年代以前以後のマンガの表現レベルの変化と、言説の変化を確認して、フレームの不確定性を一通り抑える。キャラのリアリティとフレームの不確定性の相関関係がもう少し全面的に展開できないのか、それが最初に読んでいた時からの疑問であり課題。
 その後アニメシリーズに突入し、まずは長谷さんの宮崎論から読みはじめる。宮崎アニメ解読というのはとても抵抗があり、それをなぞった学生のレポートにも違和感を感じていたが、その違和感を表層のレベルで展開させつつ、深層を表面化する議論だという話をして終了。
 講義はマイノリティリポート論を久々にはじめる。できれば朝1限とセットで聴きにきてくれると、補って基礎的な議論は朝に話せるのだが時間が限られている。映像を全部流して全部喋りつづける久々の授業。毎学期やってもよさそうな喋りつくしのシリーズ。

■感想
あと、、、美学会の感想は半分しか聞いていないので書けません。質疑応答の感じから察するに、前半は、意欲的な試みだが、いかんせん当てはめる時代と言説が散りすぎていて、さらにモデルとする事象の多様性そのものを複雑なモデルとして取り組むべきなのに、それが不十分だという点が質問応答の中心になっていた。でも潔い発表だったという印象。後半は、歴史的考古学的資料の重厚な報告だった。美学会なのだから、思考モデルを立てる手つきがもう少し細部を度外視にして聞きたいのにと思いながら聴いた。3Dのレイヤーの出し方という点、もう少し説明がほしいし、些細な部分から奥歯が抜けるほどの力学も起こりうるということも聞いてみたい、、、という感想ぐらいでご勘弁。盛況な会だった。
 ちなみにこの学会でもそろそろ発表せいと言われたので何が面白いか考え中。これは今年度中の話。