同一性の謎

ようやく時間が少しできたのでもろもろ。忙しい理由は、いつも通り学会誌編集と学会準備、職場の同僚が副学部長になってしまったこと、そして何より育児がある。

■同一性の謎
橋本一径氏からルジャンドルの邦訳をいただく。いつもながら感謝。

同一性の謎: 知ることと主体の闇

同一性の謎: 知ることと主体の闇

また、同じ橋本氏の『指紋論』の書評もようやく出ました。『表象』6号です。…思えば、彼から幽霊指紋論が突然送られてきて、結局それが表象文化論にかかわるようになったきっかけだったような気もします。ということで少しはそのお返しができていればと思います。もちろん要望や希望は書いておいたけれど。
表象〈06(2012)〉

記号学会大会
が来週末に神戸ファッション美術館で開催されます。
学会サイトのここでフライヤーをDLできますのでお暇な方はご参加ください。着ることがテーマです。

呪怨
 ずいぶん前に購入したホラー論を読んでいる。ベルクソンの時間の空間化批判をポストコロニアルな時間の一元化批判にからめて議論を展開していく一方でアジアホラーをその素材に、複数の互いにまじりあわない時間の並列を論じた本、、、と書くとわけがわからないかもしれないが、『呪怨」論は的確だった。最近でもないが『デジタル時代の日本映画』での同作品の扱いに物足りなさを感じていたのだがこちらは納得がいく。もちろん本書は他にもいくつかのホラー映画が分析されている。
Translating Time: Cinema, the Fantastic, and Temporal Critique (A John Hope Franklin Center Book)