蝋(人形)と心霊写真

photographology2004-08-19

引き続き蝋人形論。というか蝋について考えた部分から。
…蝋とはある融解点で固体から液体に変化し、その際に不透明であったものが透明と化して光沢を増し、それまで水をはじいていたものが水溶性を帯びるようになり、それと同時につるつるのものがねばねばしばじめ、あれほど脆かったものが限りなく適応性の高いものとなり、一時的なもののように思えて永遠に時間を閉じこめる媒体ともなる。蝋の物質性の確認。以上はほとんどディディ=ユベルマンの指摘。
 ところでエクトプラズムの写真とか、霊の手を象った写真とかは、結構こうした変容する物質性の魅力とほどとおくないところにある。

今日の一品はステレオ・プラクシノスコープ。動かして見たかった。パリの技術博物館にある。