タッソーとスイス

photographology2004-08-20

 マダム・タッソーの伝記的説明をかすめて蝋問題を続行。タッソーの叔父にあたるCurtiusはスイスの物理学者…またもスイスか…。

 プラスティックという語。その語源は粘土や蝋のような柔らかい物質を象ったり、刻印したりという成型することにあるという。造形的、可塑的、彫塑的と訳すこの語の根にある蝋の問題についてしばし読み続ける。…そしてグレヴァンの蝋人形館でヴァネッサ・シュワルツが議論する「プラスティック・ジャーナリスム」のプラスティックの根にもこういう蝋問題があるような気がする。

 画像はレイコックのトルボット博物館で入手した写真史本。Robert Pols,Looking at Old Photographs.19世紀から20世紀初頭までのヴァナキュラーな写真一枚一枚(総数19枚)をあげ、たとえばそれがカルトドヴィジットであり、モデルの衣服や立ち居振る舞いや、周囲の調度品や背景幕からどこまで情報を読み取ることができるかを入門書的に説明したよい本。同著者による同様の家族写真本も刊行されている。