能講座と口演

 大学へ。公開講座の交通整理役。前半で能「敦盛」の解説をしてもらい、後半で能面や能笛の解説、装束生着替えの後、クセからの演能をしてもらう。打ち合わせをほとんどしていなかった割にはスムーズに話が折り重なってけっこう成功したみたいである。個人的には、能の言葉と身振りのイメージや象徴性の厚みを久しぶりに思い出すことができた。プレテクストや受容者との相関関係や受容者の階層の時代的変化、他ジャンルとの繋がり等、考えてみるといろいろなネタが転がっているのも確か。

さてようやく本業に。

 亀井俊介『サーカスが来た!』(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4002600947/qid%3D1098534506/249-3387656-0138732)を読み直す。「さすらいの教師たち」の章では文筆業のみで語られている作家たちのレクチュラーとしての活動がおさえられていて少し重要である。サーカスとは一線を画しながらある種のサーカス的「口演」としてレクチャーを捉えること。この流れでスライド写真に関してもレクチャーのなかでの用法をもう少し調べを続けなければならない。何冊か本は積みあがっているのだが…。