復刻と改訂


 ウェブサイトphotographers' galleryで最近の復刻版写真集についてのエッセイ(戸田 昌子「復刻版」写真集の表現の技術的側面をめぐって)が掲載されている。安井仲治細江英公、川田喜久治の復刻ないし改訂写真集についての考察である。写真の評価のシステムと写真集の評価のシステムとの関係や復刻物の受容の問題、改訂版における新たな試みについても述べられている。細江氏の写真集のグラビア印刷のドットのある種の気持ちの悪さという指摘が興味を惹かれた。
http://www.pg-web.net/off/RE/top.html
ただし、最後の捻りに関して一言。印刷面へのこれだけのこだわりをしたのなら、そこからさらに議論を開いて重層化してもいけるのではないだろうか。それが少しもったいない感じもする。
個人的には、この問題を引き受けつつ写真集の復刻版や改訂版を読む主体の問題をさらに考えてみたいと思った。