野生の近代という難問

■シンポ

大阪へ。戦後日本美術をめぐるシンポジウムを聞きにいく。毎度驚くことだが超満員。美術とはかくも人気があるものなのかと不思議に思う。
 最後のセッションで出た、内省系ではなくコミュニカティヴな系統を志向すべきという意見は、正論ではある。たしかに内省や自己言及や自滅ではなくしたたかな外における野生が、現状としては理念として掲げられざるを得ないのも分かる。しかし、少々の疑問は残る。コミュニカティヴな面が現在のメディア的状況ゆえにかえってそれほど容易ではないということ、内省系が今では変質を遂げてしまっていること、散発的な野生が容易に回収されてしまうこと、これらのことがその先として聞きたいことであった。以上粗いけれど忘れてしまうのでメモ。

合間に展覧会も見る。瑛九のいくつかが結構良かったのが発見だった。もの派展は第一室が案外重要。

終わって豆腐尽くしを食べる。豆腐「もの」。