AnimaniA親指映画オタキズム

■アニマニア
 今回の旅行で決めていたことのひとつが、これまで行ったことのなかった向こうのマンガ書店に行くこと。パリ、ベルリンでそれぞれ専門店へ。旅行中の休憩時間に寝転がっていると、アニメばかり流すテレビ局があり、延々とイヌヤシャとかキャプテンツバサとか流れていた。ドイツのものは、もとの主題歌の吹き替えまでしてあってその力の入れようから以前よりも流通の幅が広がったことも分かる。
 パリの漫画屋さんではストーリーマンガとイラストレーションが拮抗している品揃えになっており、それがどこでも普通のようだった。ベルリンの本屋さんで、マンガについて書かれた雑誌について何かないかと質問したら『アニメ・スツェーネ』と『アニマニア』の二大誌を紹介された。絶対これやで、と。前者はイラスト専門だったので後者を買う。サイトはここ↓
http://www.animania.de/
 高校時代の友人が見ていたマニアックな雑誌並み。それより先の対立ではなく、アニメ的なものとマンガ的なものという対立が気になった。ちなみにマンガ論は日本語のものも含めてほとんどなし。その代わり、たまたま見つけた『オタキスムス(英語で言えばオタキズム)』という本をかいものかごに入れる。

Otakismus: Mediale Subkultur und neue Lebensform - eine Spurensuche

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■収穫物
仕入れてきた資料。これは親指映画本。ミクシのほうに表紙画像はあげる。

The Flip Book Show - Daumenkino

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これで親指にがっとつかまれ、カルティエ財団ミュエク展で人形の指につかまれ、ベルリン写真美術館でファッション写真の手につかまれかけ、ハンブルガー・バーンホフ現代美術館でモバイルフォンの論集『親指文化』につかまれる。指というか親指というのは考えたい問題だと思った。インデックスが問題になるときにはいつも人差し指的な問題構制が議論されるが、親指というのはそれとはすこしずれた指だということもあるかもしれない。ダゲレオタイプのケースを開いたり、携帯電話を開けたり、携帯電話で写真を撮ったり、フリップブックを支えたり、アナログからデジタルまで親指の圏域で議論ができそうな気になったからである。

 次は、デジタル写真本。ルクスは表紙に映える。デジタル技術をもちいる写真がどのようにどの程度そうした技術を使用しているのかが簡単に述べられている。これも持っておいたほうがいい本。

Photography Reborn: Image Making in the Digital Era (Abrams Studio)

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