写真に顔をうずめること

■写真墓石
 もの写真のひとつとして、時期も時期なので墓に刻まれる写真。ペットのお墓ページを参照。犬小屋型、ハート型、得体の知れない形状のものもある。
 墓石に写真を焼き付ける作業の動画はこちら(プリズムTV)。左の列上から二番目。

■盆タレ
 これも時期に合った話題。
 お盆に活躍するタレントを盆タレと呼ぶ。稲川淳二の怪談ナイト。どの回かを聴きに行こうと思い立つが、大阪はすでに満席。一人勝ちの淳二。…桜金造では怖すぎて、つまみ枝豆では憑依感がありすぎるのかもしれない。稲川淳二の怪談はネットでも多数DLできる。

■まくらと格子
まずは次の写真。同じくバッチェンの本から。

 以下、バッチェンのコメントのまとめ。
 複数の写真を束ねてある形態へと造形するというのも、もの写真のひとつの特徴でもある。格子というのは、複数のポートレートをまとめ、同じ集団に属していることを明示し、なおかつ物語るための形式でもあったという。
 例としてあげられた布プリで縫い合わせた枕カバーは、――ポートレートよりもむしろピクチャレスクなスナップショットが多いのではあるが――家族の休日の様子を撮影した数十枚のイメージの集合体である。ただし、このもの写真には次のような文脈が隠れている。それは、当時の産業の拡張と手による制作との対立に見られるような社会的、文化的に複合的な文脈であるという。写真枕は、一方でキルティングに見られるような過去に、他方で写真に見られるような現在に引き裂かれ、その間に漂う存在になる。真っ直ぐな縫い目とちょっとした縫いむら、それも機械と手作業の間の所産。
 また、第二に、この写真のもの性を考えてみる必要もある。その布の肌理、四隅によった皺、中身の柔らかさ、、、こうした特性が写真とともに抱きかかえられ、撫でられ、頭を沈み込ませられる。そうして写真に体の一部を沈めると想い出は誘発される。
 バッチェンの議論は、以前も本サイトで紹介した視覚と触覚の重なりに向かっていく。
 次はロケット写真。