写真が体の一部になること

送り火

大文字。法と大の字を見て終了。年々高いところが苦手になってきている。
ともかく霊のかたがたはお帰りになったので、本格的に霊関係仕事を構想しはじめる。

■ロケット写真
 もの写真には身につける装身具としての写真がある。
 例えば次のような写真。

ロケットというのは、開閉式になったペンダントで中に写真がはめ込まれている装身具。写真うたでもいくつか例を見たが、そこでは写真や写真の向こうの被写体への想いが強すぎて、もの写真の次元はあまり歌われていなかった。
 しかし、まずブレスレットやペンダントの写真というのは、その多くが金属製であり、それゆえ最初は冷たいが、人の体が触れているとしだいに温かくなり、やがてそのひとの体の一部となり、それを着けていることすら忘れてしまうようなたぐいのもの写真である。
 最初の例は、どちら側からも開くダゲレオタイプのロケット。次の例は、これもロケットを開いていくとこうした形状に展開される家族の写真ロケット。ロケットを閉じると夫妻は暗闇で接触し、開けると観者の目の前に姿を現すものの、そもそもダゲレオタイプというのは光の入る角度からして、そしてふたの開きぐあいからして、そのつど片方の像しか見ることができない可能性がある。たぶん、最初の例は単体で写った夫妻各々のどちらかが観者になっていたのかもしれない。もちろん光を反射した方は鏡になる。
 ロケットというのは、とても繊細である。もちろんアメリカの写真スタジオの宣伝には右の家族展開ロケットのもっとすごいものまであるという字句もある。それはたぶん身から離して展開して暖炉の上にでも飾っていたという可能性も高い。
 以上、推測大部分だがロケット写真。
 次は刺繍と写真。