キャラクターの眼差しカメラ

■ものカメラ2
 世にキャラクターもの商品は多い。キャラクターがはいっているだけで子どもはふりかけを買い、靴を装着し、長風呂することができる。…トイカメラにあったキティカメラからも分かるように、カメラもキャラクターの住まう場所になる。
 熱いオトコのカメラをクールダウンするためにも、そんなカメラを挙げてみよう。
キャラクターカメラのほとんどは子ども撮影用なのだろう。ピエロの顔をしたカメラ、○ナルドダックの、○ッキーマウスの顔をしたカメラ。たぶん子どもはキャラクターの眼差しを求め、笑顔でカメラを見るのだろう。最後の○ッキー・カメラは、鼻がレンズ、目がファインダー、額がフラッシュになっている。子どもにトラウマが残らないのか、少し不安である。
   
 
 ETカメラの詳細は分からない。しかしこれはステレオカメラ。指先と胸元の心臓部位が光ると嬉しい一品。
 なかにはシューティングの二重の意味を体現したアクションものカメラもある。むしろ逃げ惑う子どもの姿が目に浮かぶ。片手にバズーガ、お腹にレンズ。沢田ケンジの歌詞みたいである。
  
 最後は視線が不在になった、キャラクターカメラというより偽装カメラに近いもの。
 これを見ると以前、キャラクターについて挙げた香山氏の言葉が思い出される。
 強烈にこちらを見ている眼差しではなく、ハムスターのように間違ったらこっちを見てしまうぐらいの薄い眼差し、見ているか見ていないのか分からない眼差し。そういう視線に囲まれる薄い眼差しの虜。そういうお話。カメラのまなざしがだれのものでもない、いたるところに繁茂する幻のもうひとりの他者的まなざしだということ、その不気味さを覆い隠す顔としてのキャラクターということ。

 結構例が面白くなってきてしまったので、スパイカメラ本を注文する。
 

Spy Camera

Spy Camera

明日は喫煙具ものカメラ。

■目の疲れ
のためかこの二人が同じに見えてしまう。以上。
street Jack (ストリートジャック) 2006年 10月号 [雑誌] 綾戸智絵―ジャズを越境するエンターテイナー (KAWADE夢ムック)