もの写真6

■もの写真6
 今回も男のこだわりグッズカメラ。しかたがないがこの種のものが圧倒的に数が多いのが事実。
  
左は懐中時計型。Tickaのスタンダードバージョン(1906−14年に製造)。右はステッキの柄の部分カメラ。ステッキを持ち、懐中時計をふところにしまう。さらに
  
 紳士らしく帽子を被り、ネクタイにもカメラが仕込まれる(シャッターはポンプ式のレリースで切る。1891年)。全部装着するわけではないが、そういう身だしなみを考えてみると面白い。ステッキを垂直に地に立て、懐中時計を胸元で見て、帽子を脱いで挨拶をして微動だにせず、胸を張って後ろに手を回してシャッターを切る。背筋を伸ばしたいかにも紳士らしい振る舞いすべてが、撮影の身振りになる。たぶんそういう身振りの二重化が男のスパイカメラにはたまらないのであろう。

次は眼鏡とカメラ。