釣りバカ日誌


 原稿書き。今5合目。久々に修論卒論書いているひとびとと同じ気持ちを味わっている。


 …こんなに忙しいのにピエールの物件公売情報に首ったけになってしまう
 舟が住まい。暑くなれば北の港に、寒くなれば南の港に停泊し、全国行脚しながら釣りをしつつ、同時に各地でレクチャーをして人を釣って食っていく人生、、、そういう妄想が頭をもたげてきてしまうのであった。

■Forget Me Not 9
この項は以前にも書いた。
 その続き。ここで重要なのは二重のインデックス性ということである。単一のインデックス性とは対照的に、二重化されたインデックス性がもつ効果。先にあげたロケットの場合、写真だけでは、髪が与えてくれるものを欠いており、他方髪だけでは不十分であるものがそこにはある。両者は他方の存在があってはじめて、表象として十分に効果を生む。写真と同様、髪のサンプルもまた、不在の被写体の身体を呼び起こす。護符のような身体の一部が写真にある種の共感的魔術を、つまり、一時的にであれ永続的にであれ、分離や離別に対する保証を与えてくれるのである。
 さらにはバッチェンは二重のインデックスが生じさせる不気味な時間についても言及している。写真に捉えられた過去と、現在における身体の一部の物理的な直接性との間の作用のことである。写真は一方で時間の経過や死を意識させ、他方で永遠に続く生の可能性を夢見させる。死んでもいるし生きてもいる、不在であるけれども現前している、過去でもあるけれども現在でもある、そういう幽霊的な体験、それが髪つき写真の喚起する時間性である。
 簡単にまとめすぎたが次。。