ステレオ準備


■準備
レクチャー準備。スキャン、貼りあわせで数百の画像をまとめる。
例えばこんな感じでカイザーパノラマの説明の一枚。そしてアンダーウッド&アンダーウッドのトラベルシステム説明の一枚。
  
そんなこんなで今70枚。で、原稿は実はまだ。こんな作りこみかたをするからだろう。ま、性分ですので。
以上、予告編まで。

■ステレオの舞台
 このあいだ、ステレオ話をしていてずるずるとそうだったかと確認しなおしたのは、19世紀には浅い奥行きの舞台というものがメディアを超えて浸透していたということである。たとえば、何でもよいが

 舞台セットを組んで日常的光景をそれらしく撮影したステージ場面的ステレオ写真というものがある。もちろんステージド・フォトなので浅い奥行きにこれでもかの面の重なりが細工されている。
 またそうしたステージものが連続して、初期映画のようにワンシーンずつ、物語を語るような続き物になっている場合もある。風刺もあれば、キリストの生涯もあるし、たぶん犯罪者の物語もあるのだろう。
 これは蝋人形館のタブロー型展示とも、新聞での事件報道の版画とも、パノラマの前景の立体物の配置ともつながっているし、当然のことながら芸術写真にも明白に関連している。芸術写真イコールただ芸術的な理想的イメージを目指した写真というのは、もしかするとこんなところから別の経路で面白く論じる可能性もあるかもしれない。
 また、18世紀以来のエンゲルブレヒト劇場はどうか。古典的舞台というよりは、エッジの立った面の間の真空がこのピープショー装置によって求められていたことではないのだろうか。

以上、推測だらけだけれども、19世紀視覚文化のひとつの鉱脈の可能性について。