名古屋ぶらり旅

今日は昼から名古屋をぶらぶらとする。
ナヴィゲーターはハシモトくん。予想外に変なスポットをことごとく案内してもらう。

右は歯科医師会館に一部屋だけ設けられた歯の博物館の特別展。口をゆがめてあけたご婦人の肩越しから歯を抜き去ろうとしている医師アングル。実はヘッドレストの歴史等の素材になればいいと思っていったのだが、各医師が寄贈した抜歯用具のそろい方に心底サブイボの立つ展示だった。

 今はCCDカメラの製造で有名なエルモ社にもうかがう。国産初の8ミリカメラなどで知られる同社のお勧めの一品がこれである。年代は忘れたが、かなり古いもの。ドラマ『嫌われ松子の一生』エンディングで使用された映写機。なかでもフィルムを送る部分の部品は、刀工が作る刀の如く、念入りに作りこまれており、現在に至るまでまったく劣化を見せないのだそうだ。社長の榊氏が元大工でその器用さを生かして映写機製造に手を広げというなんでもないとんでもない跳躍が話を聞いていて面白かった。
 現在市場に出している製品はフィルムベースからノンフィルムへと移行している。CCD10万台突破記念のゴールドのCCDはなかなか面白かった。見られることのないカメラが置物になり見られる記念品になる。

 市政資料館にもうかがう。ネオバロック様式の元裁判所の部屋。そのスペースに名古屋市史を解説する展示が延々と展示されている。しゃちほこの鱗盗難事件に使用された金槌とるつぼも展示されている。地下には留置所もある。名古屋に残る建築史上メルクマールにあたる洋館風建築物の模型も紹介されていた。おおむね小さくこてこてと洋風化していき、挙句の果てにいったいこの起源は、、、と絶句させるようなこてこててかてか感が名古屋的なのかもしれない。知らないけど。

 TV塔に向かい、周囲の公園がセントラルパークという名称だということ、この大通りがシャンゼリゼを強烈に意識をしているということ、エッフェル塔的なものも意識されておるということ、そういういろんな要素の支離滅裂に近い継ぎ接ぎもいかにも名古屋なのかもしれないと話しつつ上る。
 この塔の呼び物だったカラフルなペアシートや南京錠は改修後に撤去されており、醍醐味は半減していた。ただし展望台の中途な高さは、よいと思う。地面にいる人が手で触れられる高さでもないし、すべてを視野に掌握する高さでもない。そういうむずむずさせる高さがある。
 
 見終わって駅近くの、屋上にUSJ的地球儀を頂く大名古屋ビルヂングのビアガーデンに向かうが、ビアガーデン「マイアミ」はすでに一時間待ちだったので、マイちゃんアミちゃんのショーも断念。それにしても地下空間といい、エレベーターホールといい、モザイクを埋め込んだ壁面が多いのも名古屋的である。
 しめに居酒屋で名古屋的なものを満喫する。県美の中村さんも少しだけ合流して飲む。

いやいやありがとうございました。

 無理やりまとめると、
 パッチワーク的に複数の起源をてかてかに集積していく手間への集中度と、その結果としてなぜかできあがってしまうメガロマニアックなものと、そこにふと入り込み散在する隙間感が、奇妙な異空間をつくりあげている、そんな感じでした。
 次回は駅前のブランド店各種や工事停止中の専門学校ビルやりりしく聳える駅前豊田ビルも念入りに見てみたいかもしれない。