回転と燃焼

■回るホラー
妖婆 死棺の呪い [DVD]を見る。ある神学校の学生が、魔女の復讐を教会の礼拝堂で三晩続けて体験するという映画。

この映画の面白さは、前景と後景がぎくしゃくとずれながらそれが速度によって接合されるところ。とくに棺が回りだすシーンは圧倒感がある。これがリアスクリーン・プロジェクションなのかどうかは分からない。ただ、一般に思いなされているように、そうしたプロジェクションと前景の実物との差異が分からなくなるほど両者の縫い目がなくなくなればいいという訳ではないということ。それが分かる。観者にとって、その視界のずれの強さが見ることを煽り、見回しめる。
 物が回転する怖さのホラー映画。写真は棺にはいった妖婆が高速で回転するシーン。
 最後に鳴り物入りで登場する魔神ヴィー、視力を誇るその怪物の瞼が重すぎるためにアシスタントに開けてもらうシーンも微笑ましいことこのうえない。

■燃えるホラー
スポンティニアス・コンバッショ [VHS]ン。

 これは人体発火ホラー。水爆実験の所産であり、8月6日に誕生した原子人間。彼が発火現象を、電線を通じて伝播させ、荒れ狂う。写真は電話中に怒りの炎が伝わりそれが手の形状をして鏡から出てくるシーン。もちろん、炎が形をなすのはこれのみで、発火点になる本人も統御できない原子の力が、燃えることが怖い映画。ラストのフーパー節も唖然とさせる。

以上、人以外ホラー2本。