Bアーカイヴ

ホラー疲れ。
次の仕事へ行く前に、呪怨を次々と見る。


■Bアーカイヴ
 
 以前入手したベンヤミン・アーカイヴの本を読む。この本はアーカイヴにある生前残した彼の遺稿や遺品や手紙、絵葉書などの一部が紹介されていて、ぽつぽつ面白い。
 透ける紙に濃密に書き込まれた小さな文字、それがにじんでまるで光にすかす装飾模様のようになっている。文字は判読不能なぐらい小さい。それぞれ掲載にあたっての縮小率がついている。拡大してもやはり小さい。
 こういう極小の紙にぎっちり書き込む。そのメモを束ねて彼は持っていたそうだ。紙もさまざまである。たとえば、あの有名なアウラ定義の紙片は、喫茶店かどこかのお店のメモ用紙に書かれている。ベンヤミンの文章が、たぶんこうした紙片サイズの構成をとっていること、その代わり一段落がその紙片一枚分にあたることも多いのだろう。そういう紙片が組み合わされて、相互に配列されながら彼のテクストは書かれている。
 残念ながら、6枚のメモが残されていた『写真小史』のメモはこの本には掲載されていなかったが、『文学世界』に掲載されたときのページが採録されている。『ベルリン年代記』の濃密なメモは入手する。
 表紙の画像はアマゾンドイツから、左のほうに書いてある図表がカールクラウス論の組み立ての図。